毎年この時期には
今年の運勢本が本屋さんの店頭に並びます。
有名どころでは、
朱色の陰陽太極図が表紙に描かれている
高島易断本暦。
自分の一年の運勢が
一冊の本の中に書いてあるなんて
どうなんだろうと思いつつも
人生という荒波を航海していくには
自分という舟に本来備わっている能力と照らし合わせた航海図が
あった方がいいのかもしれないなんて思ってみたり…
特に長い人生の中では、
自分の力ではどうにもならないような嵐に遭遇するかもしれません。
そんな時にはまさに神にすがる思いで
一冊の本の中に書いてある文字を追ってしまうのです。
そしてそれは自分自身を納得させる為にも役立ってくれます。
運勢の良くない年に悪い事が起きれば
『 だってそういう運勢だったし… 』と言えますからね。
普段は暦などには全く無頓着でいられても
守るべきもの (家族とか) ができた時とか
自分の能力の限界を感じた時とか(世の中上には上がいるので)
特に精神的なエネルギー切れを感じた時は
それまで培ってきた経験やら知恵を総動員して
そのビハインドを補おうとするのです。
そもそも人間の本性として
何にでも因果関係があるような説明を求めたくなります。
ただ単に運が良い悪いだけでは、精神衛生上耐えられないのです。
特に悪いことに関しては
何かや誰かのせいにしないと気が済まないのです。
本来世の中の出来事は全て複雑に絡み合っていて
そんな簡単に因果関係がはっきりするものでもありません。
自然=神=真理=愛=永遠=無限………を全て理解しようなんて
肉体を着ている人間には所詮無理な話しです。
だからこそ人は祈るとも言えるのです。
今年の目標は決まりましたか…?
短期決戦でいくか…
長期決戦でいくか…
世の中短期決戦で決まることは案外少ないものです。
特に人生の場合は…
母と二人だけで箱根に行ってまいりました
我が家から箱根への2時間弱の移動を旅行と言えるのかはさておき
どこへも出かけず、心ゆくまで本を広げたり、パソコンを開いたり
ひたすらお部屋でまったりゆっくり
つかの間の静寂を楽しんでおりました。
そんな時には自分のプライドとの付き合い方だったり
自分のアイデンティティだったりを考えてみるのもいい。
現在から過去を振り返ると
これまで自分がしてきた善い事も、そうじゃなかったことも
今自分が置かれている状況によって過去の出来事が違って見えてくることに気づく…
つまり過去の意味は、現在の思いで決まってくるということなのだろう。
そういった意味で過去の失敗を振り返ることは
(少しは)成熟している(はずの)今の自分を感じることにつながる
貴重な時間なのかもしれない。
とは言え、思い出したくないこともたくさんあるのだけれど…
思い出というものは人間が時間に贈与できる唯一の形式であって
過ぎていった時間というものは
それを偲ぶ思慕者の心の幅によって拡大されていってとどまらない
~壇一雄~